

とある深夜ラジオの最終回。
一人のネタ職人の呼びかけで、番組常連のリスナーたちは
有楽町近くのカラオケボックスに集まった。
しかし、誰も、何も、喋らない。
唯一世界と繋がれるのがラジオで、
だけど、そこで繋がった場所で、何も話すことができない。
頭の中では、こんなにも面白いことが渦巻いているのに。
劇団献身が、夏の下北沢でお送りするは、不器用を通り越した人格破綻者たちの、無言劇的ナンセンスコメディ。
出演者
加瀬澤拓未
木村圭介 (以上、劇団献身)
大垣友
古賀友樹
渋谷裕輝
田島実紘 (劇団スポーツ)
タナカエミ (Dr.MaDBOY)
福富朝希
吉田電話 (クロムモリブデン)
※劇団名、所属等は上演当時のものです。
2018年7月11日~22日
@OFF・OFFシアター
ART GALLERY
奥村コメント
ラジオのネタ職人たちが、オフ会で集まったけど、全員無口で全然盛り上がらない。
二部屋借りてみたけど、あとからやってきたチャラい奴らに乗っ取られて、荷物置き場のような掃きだめの狭いカラオケボックスで職人たちが一晩を明かす。
そんなお話でした。
生活が昼夜逆転し、何者かになりたくて、何者にもなれなかった20代前半。死にたい夜に、僕はとあるラジオ番組に出会いました。
それが今回の題材となった、「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」です。
番組では、僕のような俯きがちな奴らが、無数のネタを投稿していました。
公演情報が拡散されていき、アルピーリスナーや実際のネタ職人のみんなにも届いて観に来てくれたのが、嬉しかった。実際に会って、話して、奇跡のような時間でした。
彼らが宣伝してくれて(みんなほんとにいい人)、瞬く間にこれまで届かなかった層にまで情報が広がり、結果的に連日満員御礼、再び動員1000人を超えられました。
役者たちも、泥臭い奴らばっかりで、誰も格好つけてなくて、大好きでした。自分たちのキャリアが浅いためなのか、作品のせいなのか、好不調の波が激しかったのも、今思えばラジオっぽかったかもしれません。神回もあれば、悔しい回もあった。
それでも、良い座組でした。
今、久しぶりに寂しい気持ちです。
でも、だからこそ、またやりたい。
第10回本公演を終えて、自分のなかでひと段落していた劇団献身が、満を持して再スタートしました。
次はもっと面白いものが作れる気がする。
だから、今後とも、何卒。
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